座談会

エルハートの「過去」から「現在」を語り合いました!

「かんでんエルハートってこんな会社なんです!」
当社に興味を持たれた方にもっと深くエルハートを知っていただくため、入社して大変だったこと、やりがい、今後の目標など、社員がホンネで素顔のエルハートを赤裸々に語ってもらいました!

  • 登場人物
    氏名(仮名)
    ①入 社 年
    ②担当業務
    ③役割
    ④障がいの種類
  • staff
    泉 野
    ①2020年(3年目)
    ②郵便物等の仕分けや運搬
    ③作業担当者
     (現場での作業者)
    ④発達障がい
  • staff
    二 階 堂
    ①2020年(3年目)
    ②オフィスの軽作業代行
    ③ジョブコーチ
     (現場全体の統括者)
  • staff
    古 川
    ①1999年(24年目)
    ②花の栽培造園等
    ③作業リーダー
     (作業の主動者)
    ④知的障がい
  • staff
    福 井
    ①2008年(15年目)
    ②施設清掃
    ③リーダー
     (所属全体の管理者)
  • staff
    犬 飼
    ①2000年(23年目)
    ②制服・イベント用品管理
    ③リーダー
     (所属全体の管理者)
    ④肢体不自由者
  • staff
    月 島
    ①2006年(17年目)
    ②オフィスの軽作業代行
    ③主 任
     (リーダーの補佐)
    ④肢体不自由者

目次

若手からベテランまで、社員が見たエルハートとは!?
戸惑うことがあっても、助け合って良い職場環境を作ります
こんな出来事がきっかけで、仕事への想いが変わりました
「保護する対象」から「第一線で活躍する戦力」へ
障がいの有無に関係なく、個人の能力を発揮できる環境づくり
困難と向き合うことで成長し、やりがいが生まれます
信じて任せてもらえたことで力を発揮!
ジョブコーチとしての難しさとやりがい
入社希望の方へ、エルハート社員からのメッセージ

若手からベテランまで、社員が見たエルハートとは!?

月島
今回お集まりの5名の方には、ご自身のことや仕事のお話をうかがって、社員のリアルな声や想いをこのページを見ている皆さんにお届けできたらと考えています。まずは自己紹介から。私は中之島アシストの月島です。入社して17年目で、肢体不自由があります。
二階堂
入社3年目の二階堂です。健常者で、中之島の関電本店ビルで事務アシストの業務をしています。
泉野
入社3年目の泉野です。メールサービスの仕事をしています。発達障がいがあります。
古川
入社24年目の古川です。園芸業務に携わっています。知的障がいがあります。
福井
入社15年目の福井です。健常者で、茨木アシストセンターで清掃の業務に携わっています。
犬飼
入社23年目の犬飼です。肢体不自由者で、商事業務に携わっています。
月島
ありがとうございます。では最初に、入社3年目のお二人にかんでんエルハート(以下エルハート)に出会った時の印象を教えてもらえますか?
泉野
通っていた就労移行支援事業所でエルハートを紹介されました。そこは『支援員さんに指示されたことをする』という感じの事業所だったので、エルハートも同じようなものだと思って実習に行ったのですが、皆さんがテキパキと自主的に仕事をしていたり、障がい者の中でもリーダーとなる人がいて、指示を出してチームを動かしたりしていたことに驚きました。皆さんすごく完璧に見えましたし、「ちゃんとしないと・・・!」と、プレッシャーを感じたことを覚えています。
二階堂
私も同じく、障がいのある方が自立してお仕事をされていることにびっくりしました。
それまで障がい者との関わりがなく、唯一身近に感じる機会は、前の職場の近くの飲食店。知的障がいのある方が配膳をされていたんですが、健常者がマンツーマンでサポートをしていました。それで私の中では、特例子会社で働く健常者というのも、その飲食店みたいに、横について作業のサポートをする感じなのかなと想像していました。そもそも特例子会社という言葉自体、転職活動の時に初めて知ったんですが。
面接で住之江本社に行った時に、社員の皆さんが誰にサポートされるわけでもなく台車を押して荷物を運搬していたり、きれいに花壇の花を手入れしているのを見て、「思ってたよりちゃんと“会社”なんやな」と感じました。

戸惑うことがあっても、助け合って良い職場環境を作ります

月島
お二人とも、障がい者が自立して働いている姿が想像と違って驚いたということですね。
それは実際に働いてみても変わらず?
二階堂
そうですね。入社前は個別指導塾みたいなものを想像していたんですが、実際に働いてみると全然そんなことなくて、皆さん自立して働いているなと感じています。定例の仕事などは、基本的には皆さんが単独でお客さまのフロアに行って作業をして、私はその報告を聞いて問題ないか確認するだけで業務は回っていきます。

なので、入社後は、自分の仕事内容が思っていたのと違うというギャップの方が大きかったかな。私はジョブコーチの役割ですが、ずっと横で見ていてサポートするなんてことは全然なくて、皆さんが自分の仕事をしている間に、私は皆さんが自立して働けるようにその下準備をしています。お客さまからお仕事をもらう時には営業みたいな仕事もするし、お客さまの要望を理解して、それを仕事として知的障がいのある方が作業できるように分解して組み立てて、皆さんに手順の説明をして、工程管理をする、という感じで、最初に求人を見て想像していたよりもだいぶ難易度が高いな⁉と思っています。

泉野
私は実際に働いてみると、「みんなが完璧、ってことでもないかな」と感じるようになりました。というのも、一緒に働いていると、時にはイレギュラーなことがあったり、突然忙しくなったり、あとみんなそれぞれに調子や気分の波があるのもわかってきて。そういう時に、誰しもが完璧に対応できるわけではないんですよね。みんながその時々のベストを出して働いていて、それでも対応しきれないこともあったら、ジョブコーチや上司に助けてもらうこともあって。そうやって現場が回っていくのが分かってきたので、今は「自分にできるベストを出そう。それで無理そうだと思ったら周りに助けてもらおう」っていう、良い状態で働けているんじゃないかなと思います。
月島
みんなが完璧なわけではないけれども、ジョブコーチや上司のサポートのもと、各々が自分のベストを出して働くことで、現場が回っていると気づいたのですね。

こんな出来事がきっかけで、仕事への想いが変わりました

古川
僕は入社してからずっと園芸部門で働いています。昔は言われたことを言われた通りにしていただけ、という印象が強いです。しかし、今は違うなと感じています。
仕事で車の運転をするようになったことをきっかけに仕事への思いが変わりました。

園芸の仕事に関西電力、関西電力送配電の各事業所の花壇の植え替えや管理があり、昔はその事業所へは必ず健常者が社用車を運転して、知的障がい者チームを連れていきました。自分も免許は持っていたのですが、やはり仕事で運転をするとなると、万が一事故が起こった時の対応等の面で、健常者が運転するのは当然なのかなと思っていました。
それが、ある時当時の所属長から「運転してみるか」という話があって。正直不安もありましたが、他にも挑戦する人がいて、自分も頑張ってみようと思いました。今は障がい者だけのチームで事業所に行って花壇の手入れをすることもあります。その頃から発注作業や後輩の育成など、以前は健常者がしていた仕事を任されることが増えたように感じていて、昔に比べるとかなり仕事の幅が広がったし、できることが増えたなあと思います。

「保護する対象」から「第一線で活躍する戦力」へ

月島
話を伺っていると、最近のエルハートと昔のエルハートはかなり違うようですね。なぜエルハートは変化したのでしょうか。
福井
入社してすぐに配属されたメールサービスの少人数職場では、まさに「つきっきりでサポート」するのが私の役割でした。もちろん軽易な仕事は単独で任せることもありましたが、ちょっとでも危険だとか、重要な書類だとかになると、健常者がつきっきりで作業したり、むしろ健常者だけしかやったらあかんみたいなルールがあったりして。今考えるとそんなんおかしいやんと思うんですが、入社してすぐに会社からそれが役割だと言われると、そういうもんなのかなと思って、それが当たり前になっていました。

ところがある時から、私たちジョブコーチの行動が、逆に障がい者の成長を妨げているんじゃないかって思うようになったんです。危険だから任せられない、重要な書類だから任せられないという決めつけはだめだよねっていう、「任せられない病からの脱却」をしていかなければいけないという時期。

犬飼
それがきっと東日本大震災の時なんじゃないかなと思います。
僕は肢体不自由者ですが、ジョブコーチのフォローのもとというよりは、自分でバリバリ営業して、お客さまのお困りごとを発見・解決して、売上を作っていました。もちろん最初は「仕事とはなんぞや」ということも分からなかったので、その時々の上司からいろいろなことを学びつつ、自分たちで道を切り開いていく、という感じではあったけれども。

ところが震災でエルハートの売上ががくっと下がってしまった。しかも震災の影響で電気代の値上げが避けられないなか、少しでも値上げを食い止めるために、グループ会社も含めて全体で改革をしていった。その中でエルハートが取り組んだ改革が、「任せられない病からの脱却」、つまり、障がいのある人の成長を妨げないとか、できないと決めつけて仕事を取り上げないとか。ある意味過保護になっている会社やジョブコーチの考え方を見直して、障がい者に挑戦してもらう。そうすることで障がい者の職域拡大が進み、今では障がい者だけのチームで作業をするなんてこともできるようになったんだと思います。

福井
確かにそうですね。それまでは「障がい者は保護する対象」みたいな目で見てしまっていたところが多少あったけれど、そうじゃなくて、「第一線で活躍する戦力なんや」という考え方に変わったなと思います。
月島
なるほど。震災をきっかけに、会社として大きく方向転換したということですね。
となると、今役職者のお二人も、エルハートの一員としての考え方や役割が大きく変わったんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。

障がいの有無に関係なく、個人の能力を発揮できる環境づくり

福井
私は当時ジョブコーチで、「つきっきりでサポート」が当たり前だと思っていた世代なので、「効率化していきましょう」というような意識は低かったです。ただ、実際に自分たちがしていたことを障がいのある方に任せると、それまでは時間がなくてできていなかった育成計画に着手できたり、当時の上司がしていた仕事が自分に回ってきたりと、やることはいくらでもありました。
「障がい者の職域拡大が進んだ」と同時に、私たちができる仕事も増えた。それが全社で進んだからこその今のエルハートなんだなと思います。

今は茨木アシストのリーダーとして、見積りを立て、お客さまと契約の打ち合わせをしています。契約通りの人数で、お客さまのニーズに応えられる仕事・それ以上の仕事をしないといけないし、したい!ってなると、これがまあなかなか難しいんです。限られた人員、しかも得意不得意や個性にばらつきがある人員の中で、どれだけ業務を標準化・効率化して、かつ優先順位を付けて、お客さまにご満足いただけるようにするかをずっと考えています。当然「つきっきりでサポート」するのが役割な人も、「保護する対象」な人も一人もいなくて、みんながそれぞれの役割の中で、最大限力を発揮できる環境を作ることをこれからも考えていかないと、と思っています。

犬飼
自分に求められる役割が変わったのではなく、それまで自分が所属していた物販・印刷の考え方が全社に広がったのかな、ととらえています。震災を機に、親会社からの出向者が激減し、プロパー社員主体の会社にしていかないといけなくなった。となると僕らプロパー社員がもっと力をつけないといけない。その中で、「任せられないと決めつけてつきっきりでサポート」から「自ら考えて、力を合わせて、新たな道を切り開いていく」に変わってきた。でもこれって、実は僕らは当初からしていたことなんです。だから、自分の役割が変わるというよりは、物販・印刷で身に付けたことを、いかに他の事業にも横展開していくか、という方が近いんじゃないかな。

たとえば被服業務がまさにそうで、元々被服業務は「つきっきり」に近い状況だったんですが、今はだいぶ変わっています。先日は、グループ会社の被服業務でコンペがありました。コンペではだいたいどこの会社もデザイン・価格・仕様を出してきますが、エルハートでは「お客さまのお困りごとを解決する」を念頭に、被服業務自体の運用に最も課題があると考え、そこを解決できる内容にした。もちろん価格も一般市場と競争できる価格にして、障がい者雇用だからこれくらいで仕方ないよねという甘えは一切ありません。結果、見事勝ち抜くことができました。
僕自身、エルハートは震災を機に大きく変わったと思っているけれど、それは何もなかったところから突然変わったわけではなくて、それまで培ってきたものを活かして、全社に展開していくことで、会社として自立できるようになったという感じなのかなと思います。

困難と向き合うことで成長し、やりがいが生まれます

月島
こうやって変化してきたエルハートの最前線で働いている皆さんはプレッシャーを感じたり、しんどさや難しさがあるんじゃないか、また、それと同時に成長ややりがいにつながる部分もあるのではと思いますが、いかがですか。

信じて任せてもらえたことで力を発揮!

古川
僕はずっと園芸の仕事をしているので、昔と比べて確実に仕事が増えて忙しくなったなというのは、ものすごく感じています。例えば、今勤務している高槻では、ローテーションで1人で休日出勤をするんですが、そのローテーションに僕も入っています。昔だったら、自分が1人で休日出勤をするなんて考えられなかった。任される分責任も増えるので、それがプレッシャーでしんどいと思うこともありますけど、それだけ信頼されているのかなと思うと嬉しくもあります。一方で、キャパオーバーになりそうな時は先輩や上司に言えば必ず相談に乗ってもらえるので、安心感もありますね。

僕は中卒でエルハートに入社したので、入社当時は周りが大人ばっかりで話も合わなかったし、仕事も健常者が横にいて指示をうけながら作業するという感じでしたが、年齢を重ねて、任される仕事が増える中、後輩の手本にならないといけないという意識が芽生えたと思います。自分が指導や指示をする立場になったことで、作業でも安全最優先をより強く考えるようになりましたし、言葉遣いや態度も気をつけるようになりました。僕が悪い手本になると、「古川さんもやってたやん」と言われてしまうので(笑)。

泉野
私は入社して2週間くらいで少人数職場に異動になって、今までと違うことが多くてびっくりしたんですが、それが自分の成長に繋がったのかなと思っています。
大人数の職場で働いていると、みんなが迷わないように細かく切り分けた仕事の手順通りに一つずつ作業を覚えていかないといけない。私は仕事をすぐに覚えられなかったり要点をまとめて話せなかったりということでつまずいて前職を辞めた経緯があり、エルハートでも細かい手順をなかなか覚えられなかった。それに、セクションごとに少しずつ仕事を覚えていくので、なかなか全体像が見えてこないんです。

でも、少人数職場だと、全体像を理解していないと仕事を回せないんですね。自分が担当するパートも多いので、自ずと全体像が見えてきやすいというのもありますが、私の特性に合わせて、私のペースで仕事を教えてもらえたのもあって、今ではある程度自分で仕事の差配もできるようになりました。「最終的にこうなってないといけない」というのが分かればあとはわりと臨機応変な対応ができるタイプなので、そこを信じて任せてもらえたのも大きいんじゃないかなと思います。
自分が担当するパートが多いからこそのプレッシャーもありますが、自分でも分かるくらい、成長したなって感じています。最初に実習した時に感じた「完璧」とは違うかもしれませんが、少なくとも「自分のベスト」は、更新し続けられてるんじゃないかな。

ジョブコーチとしての難しさとやりがい

二階堂
私はジョブコーチの役割を担っていますが、皆さんが自立して働けるように業務を設計するのと同時に、皆さんの主体性を引き出しつつ、チームとしての落とし所にきちんと持っていくのも自分の役割なのかなというふうに最近は思っています。

私が入社した頃から、中之島アシストでは社員の皆さんは自立して働いてはいましたが、ジョブコーチと社員は、指示する側と指示されて作業する側にはっきり分かれているように感じていました。そのほうが指示系統が明確で組織としては動きやすいところもあるんですが、実際に作業をするからこそ気づくことだってあるんだから、みんなでワイワイと意見交換しながら仕事をしていきたいなという気持ちがあって。なので、今は皆さんから出てきた意見を基に、チームで話し合いをすることが増えました。最初の頃は「自分がしんどいから嫌」とか、「自分はやりたくない」という話が多かったのですが、最近は「誰々さんが困っていたからもっと変えた方がいい」とか「こうしたらみんなが楽になるんじゃないか」というふうに視点が変わってきていて、みんなが自分ごととして、チームを良くしていこうという環境になってきているのを肌で感じています。
先ほど話していた営業のような仕事や、業務の設計なども含めて、正直、最初の求人を見てイメージしていた仕事と全然違うので戸惑うことも多々ありましたが、そのイメージと違った部分こそが、難しくもあり、やりがいにもなっているんじゃないかなと思います。

入社希望の方へ、エルハート社員からのメッセージ

月島
皆さんありがとうございました。
エルハートの変化と、変化したエルハートで働く皆さんのお話しが、これから入社してくる方の参考になればいいなと思います。
では最後に、これから入社を考えている皆さんにメッセージをお伝えして、座談会を締めたいと思います。
古川
働いているといろいろな悩みが出てくるでしょうが、私を含め過去に似た悩みを抱えていた先輩がたくさんいると思うので、ぜひ相談してください。先輩も上司もみんなでサポートしますし、一生懸命頑張れば障がいに関係なく評価してもらえるので、頑張っていきましょう!
福井
エルハートの雰囲気や仕事の内容などと波長が合えば、こんなに楽しい職場はないと思います。みなさん、ぜひ仕事を楽しもうという気持ちで入ってきてください!
泉野
仕事をするには、とにかく体が資本だと思っています。無理をして仕事に支障が出ればメンタルにも不調が出て悪循環になるので、これから入社される後輩の皆さんには、体調管理をしっかりして欲しいと思います。それさえできていれば、あとは何とかなるという気持ちで一緒に頑張りましょう!
二階堂
仕事は正直、いつも楽しいとは言えません。大変なこともありますが、それ以上にやりがいがあります。苦しくても、何事もやり切りたいと思うガッツのある人は、燃える職場だと思います。
最初は不安なことや、わからないことも多いとは思いますが、私たちも精一杯フォローしますので一緒に頑張っていきましょう!
犬飼
私は勤続20年を超えますが、入社当初から今も変わらないと特に感じる点が2つあります。それは、『社員を大切にする社風』と、『チームで目標を達成する楽しさがある』ことです。これら普遍的な土台があることにより、公私ともに、充実した生活が送れていると感じています。
当社の更なる発展には、共に働く若い力が必要です。仕事を通して、自己実現と、充実したワークライフバランスを、一緒に獲得しましょう。新たな出会いを楽しみにしています。
月島
以上で、座談会は終了です。今回の座談会では、勤続年数も様々な皆さまに、エルハートの「過去」から「現在」を深く語り合っていただきました。エルハートの「これから」を一緒に作っていってくれる方、お待ちしています!